いやー、隙が無い。1曲目“結証”はドラマティックなメロディとアレンジの妙が冴えるバラード。2曲目“LADYBUG”は鍵盤を先頭にぐいぐいドライブしていくロックナンバー。3曲目“Copy”は長屋晴子(Vo・G)のシンガーソングライター的感性が前面に出たラブソング。と、考え抜かれたバランスと曲の並びの良さから、3曲ながらミニアルバムのような満足感がある本作。バンド、編曲家、スタッフとチーム全体で丹念に煮詰めたことが窺える堂々たる完成度の高さからすれば、3曲すべてにタイアップがついているのもごく自然なことだと思える。曲毎に細かくボーカリゼーションを使い分ける長屋の歌唱も相変わらず見事の一言。また、演奏においてかなりテクニカルなフレーズが散見されるものの、それが目的化されず、楽曲のポップさを際立たせるための素材として用いられる方法論が徹底されているのも、実に強い。さらなるブレイクスルーに確実に手を掛けつつ、並行して彼らが果てなく険しきポップ・マエストロへの道に足を踏み出していることを感じさせる、充実の3rdシングルである。(長瀬昇)
『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より