9月4日に生中継配信された日産スタジアムでのライブは圧巻だった。広大なスタジアムの芝生の上から、閉塞した日常に風を吹き込むように、ピアノと藤井 風の歌声が響いた。そのスペシャルなライブでも披露された新曲が、この“燃えよ”だ。「この曲はちょっとダサいくらいまっすぐな曲」と曲を紹介し、さらに「わしが無気力とか落ち込んだように感じとる時に、こんぐらいまっすぐで力強い曲があってもいいんじゃないかなと思って、わしが必要としていたような曲です」と続けた。ライブではピアノのみでのアレンジで、《あの空に燃えよ》と歌う声が、彼の言葉の通りまっすぐに胸に刺さった。そしてその後リリースされた音源のトラックはその「まっすぐさ」に加え、曲が進むほどに(楽曲のテンポが上がるわけではないのに)想いがぐんぐん加速していくような高揚感に溢れ、力強く歌を牽引していた。絶妙な転調が表す心の動き、どんどん熱くなるパーカッシブなビート、閉じた心を強引にこじ開けてくれるような言葉にならない解放感。本当に、私たちが今必要としていたのも、こんなまっすぐな歌だ。(杉浦美恵)
この解放感を必要としていた
藤井 風『燃えよ』
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