多様性という名のポップ

アイナ・ジ・エンド『DEAD HAPPY』
発売中
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アイナ・ジ・エンド DEAD HAPPY
「ダーク」と「ポップ」の二面性を表現した3ヶ月連続リリースの2作目。1作目の『BORN SICK』がシリアスなダークサイドを担っていたので、今作はポップサイド。ポップとひと言で言っても、アイナ・ジ・エンドが作詞作曲を手掛けた4曲に個性的なアレンジャーが色をつけていくスタイルで、実験的な一枚に仕上がっている。河野圭は“ワタシハココニイマス for 雨”を軽快なポストロックで仕上げ、Giorgio Blaise Givvnは“Sweet Boogie”をエレクトロポップに。さらに、東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志が参加した“ZOKINGDOG”は《ワンワンワン》のコーラスが楽しいアッパーなファンクで、関口シンゴは“おでかけワンピース”をしっとり温かな質感の音で彩っている。どんなサウンドプロダクションでもキャッチーなメロディがいちばん耳に残り、アイナのソングライティング力の進化を思い知らされる。前作よりかわいい/切ない方向に振った歌の表現力、ポップサイドとはいえちょっと毒を秘めた歌詞もアイナ節がたっぷり。意欲的な2作を経て、ますますアルバムに期待が募る。(後藤寛子)

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