yama『Oz. / 世界は美しいはずなんだ / スモーキーヒロイン』
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1stアルバム『the meaning of life』を携えてのツアーを完遂したばかりの
yamaが、間髪入れずにリリースしたトリプルタイトルのシングル。先行してデジタルリリースされていた“Oz.”、大木伸夫の作詞・作曲による“世界は美しいはずなんだ”、そして
川谷絵音の作詞・作曲“スモーキーヒロイン”と、新曲3曲にはそれぞれタイアップがついている。yamaは一聴すればそれとわかる個性と優れた歌唱力を兼ね備えているだけではなくて、歌い手シーンもライブバンドも音楽ジャンルも関係なく交差する、今の日本の重層的でおもしろい音楽シーンを象徴している存在であることがよくわかる作品だ。現代型オルタナ/フィリーソウルと呼ぶべき“世界は美しい~”や、悩ましい川谷メロディが咲き乱れ躍り狂う“スモーキー~”も素晴らしいが、それらと並べて気鋭シンガーソングライター=泣き虫☔の驚くべき作曲センスを引き出し、yama自身の歌として見事乗りこなしてしまう“Oz.”の存在感には溜息が漏れる。すでに完成された歌声のようでありながら、表現者としてのyamaはまだまだ底が知れない。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』1月号より