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自らモラトリアム3部作の最終章と位置づけていた前作『awake&build』に続く4thアルバム。yamaが作曲や作詞に関わった楽曲が一気に増え、新たな一歩を踏み出したことが伝わってくる。その背中を押したのは、きっと自分がどんなメロディを歌いたいのか、どんな言葉を歌いたいのか、というシンプルな想いだったのだろう。ダンスビートからバンドサウンドまで幅広い音楽性に挑戦して引き出しを増やした前作とは違い、今作はyama自身から生まれてくるメロディや言葉を軸にした楽曲が並んでいる印象だ。indigo la Endを始め多彩なアレンジャーが、yamaの繊細かつ豊潤な歌声を引き立てる音像を作り上げていて心地よい。ラストに、自身で作詞作曲を担当したタイトルチューン“semicolon”で《感情に自由でいるって/そんな身軽さは無かった》と歌い、《いつの日か遮るものなく/いられるように》と願いを込めるyamaの声に心を掴まれた。この一歩の先に、さらに羽ばたいていく未来を予感させる一枚。(後藤寛子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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