人生の共犯者になり得るメロディ

め組『あの恋をなぞれば』
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め組 あの恋をなぞれば
《つかず離れずが妙に心地よくて/だらしない君と自己嫌悪に浸ってたいけど》。め組の菅原達也(Vo・G)は、たとえばそんな歌詞を珠玉のメロディに乗せて歌い、後悔の崖っぷちに立つ人を全力で肯定する。あなたがあの時選んだはずの幸福は間違いじゃなかっただろ?と、渾身の力で突きつけてくる。2022年、配信シングルの連続リリースでスタートダッシュを決めるめ組の第1弾は、久佐賀麗(Key)加入後初の新音源でもある。昨年のライブでも既に披露されていた“あの恋をなぞれば”は、ファルセットの狂おしいフックで恋の記憶の深みにタッチするナンバーだ。前作“YOLO”においてもアレンジを担当した花井諒は、DJ的な手法でバンドサウンドをエディットしているのだが、このコンテンポラリーな響きのビートポップの中でもなお生々しく躍動する歌声とサウンドに注目してほしい。新体制を整えるどころか猛烈な勢いで進化しているライブ演奏も素晴らしいので、5月のツアーでは音源とは一味も二味も違ったパフォーマンスを堪能できるはずだ。また、久々の新作CDにもたっぷり期待したい。(小池宏和)

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