12ヶ月連続リリースの第3弾シングル。2023年に解散することを表明しているBiSHは、第1弾“FiNAL SHiTS”でその想いをまっすぐに歌い、続く第2弾の“ぴょ”では、「楽器を持たないパンクバンド」の真髄を見せつけた。その原点回帰のモードで突っ走るかと思いきや、第3弾楽曲では、まさかの新機軸。“愛してると言ってくれ”というタイトルこそ非常にBiSHらしいストレートな物言いでありつつも、ここまで衒いのない、まぶしいくらいにキュートなポップソングは初ではないだろうか。セントチヒロ・チッチやアユニ・Dのキュートな歌声が、混じり気なしにけなげな恋心を表現して、メンバー全員が、まっすぐにBiSHの「かわいい」を表現する。解散までのカウントダウンが進む中で、こんなふうに武装を解いた歌が聴こえてくることに驚き、その邪気のなさになぜだか胸が熱くなる。が、カップリングの“GO TO HELL”で、そのモードも覆すのがまたBiSHらしい。ダンサブルでロックなギターカッティングとベースラインに乗せてアグレッシブな歌を突きつけるBiSHがとにかくかっこいい。（杉浦美恵）

『ROCKIN'ON JAPAN』5月号より