目線が《今》に向かうキラメキ

リュックと添い寝ごはん『サマーブルーム』
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リュックと添い寝ごはん サマーブルーム
《ずっと今のまま 今をただ笑えるように》という淀みのないサビにたどり着くまでの葛藤が、歌詞のあちこちにちりばめられている。《才能は誰しもあるものだから。と/半信半疑 僕は何になれるかな?》《人のことばっか考えて生きる/雨に濡れた言葉を探して/拾い集めて温め合えれば/本当の自分が見つかる気がした》――文学的に昇華されてはいるけれど、こういったフレーズを聴いて「ああ……」と共感の声が漏れてしまうのは、私だけではないだろう。ワクワクを煽るギターと疾走するビートのイントロから青春感に満ちているけれど、ここに描かれているのは絵空事ではない。顔を覗かせるムーディなギターや涼やかなコーラスには、若干の青春との距離感があり、彼らも少し大人になったからこそ生み出せた楽曲なのかな?と思う。最後に現れる《夏の魔法》というのも、ほんと、覚めたあとに気づくものなんだよね、夏には魔法がかかるって。でも、いろいろわかってしまっていたり、いろいろ考えずにはいられない人でも、《今》を見よう、《魔法》を信じようって思わせてくれるくらいのキラメキがある楽曲。(高橋美穂)

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