軽やかなギターのカッティングとファンキーなベースライン、ドラムマシン感溢れるビートと華やかなハンドクラップ。とことんシンプルなシティポップサウンドに乗せて、今にも踊り出しそうなVaundyが歌う。シャレになっている曲名も含めて“恋風邪にのせて”の続編のような雰囲気もあるポップチューンは、仲野太賀主演のシチュエーションコメディ『ジャパニーズスタイル』の主題歌だ。かねてより「ジャパニーズスタイル」なポップミュージックへの興味と憧れを口にしてきたVaundyにとっては、これこそがまさに今のど真ん中なのかもしれない。リズムはもちろん、ギターやシンセの音色や微妙なリバーブのかかった声など、ディテールまでこだわりまくって「あの感じ」を追求していることがわかるが、同時に最強のBメロから問答無用でステップを踏ませるサビへといたるキャッチーな展開はさすがだし、そのBメロで気合を入れてサビでむしろ力を抜く感じのボーカルもいい感じで聴き手の感情を解きほぐしてくれる。そして何度も言っているけど、今回もいちばん最後に来るDメロが超絶いい。（小川智宏）

『ROCKIN'ON JAPAN』12月号より