『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
この“気まぐれ”が、何度か目にしていたメンズビオレのTVCMソングだと気づいてハッとした。ずいぶん「さり気ない」楽曲を書くんだなあと。CM、もっと言えばお茶の間に溶け込む歌詞やサウンドや空気感を的確に生み出せるクリエイター的なスキルが露わになっているのだ。《首元、風の音/今、涼しさを感じている》という五感を刺激するフレーズや、《ひゅるり》《ふわぁっ》という平仮名の擬態語を織り交ぜ、生活の中に「感覚」として余韻を残す「さり気なさ」。これが、何度もリピートしたくなる要因になっているのだろう。それでいて、機能性を重視したとは思えないほど、アコギを筆頭とした生音や、ゆったりとしたテンポは、人間味に溢れている。むしろ、これがジャンルレスに多才なアーティスト・Vaundyの心の内ではないか?と思ってしまうぐらい。はっぴいえんどやキリンジを思い出してしまうような曲調から、日本のシンガーソングライターの系譜に彼が名を連ねていることも改めて感じることができる佳曲。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年8月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』8月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。