人の悲しみが、バレる

クリープハイプ『愛のネタバレ』
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クリープハイプ 愛のネタバレ
クリープハイプの新曲のタイトルは“愛のネタバレ”。ネタバレ、と言うからにはそもそもは隠されるべき、知られてはいけないようなことが歌われている曲なのか?と問われれば、この曲はまさにそういう曲とも言える。では、隠されていた「ネタ」とは、大げさなどんでん返しとか、見事な伏線回収とか、そういう類のものなのか?と問われれば、そういうことではない。この曲で「ネタバレ」されるのは、人間は絶望的なほどに変わっていくし、愚かしいほどに変われないということ。人は嘘をつくということ。時間は戻らないということ。《自分の家が自分の家過ぎて やっと笑えた》――そんなささやかな言葉の羅列の奥から滲み出る、人肌の悲しみ。

饒舌なギターが印象的に鳴り響く、きめ細やかだがどっしりとしたバンドアンサンブルは、聴き手を包み込むようだ。冒頭から時折聴こえてくるリリカルなピアノの旋律は、切ないのに温かい。突き刺す、というよりは撫でるようにして人間の哀調を響かせる、今のクリープハイプの成熟を強く感じることができる一曲である。(天野史彬)

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