結成10周年記念EP。初回限定盤のCDは2枚組で、1枚が新録曲5曲を収録、もう1枚は初回盤のみ・配信なしで、再録曲を8曲収録。東京ロッカーズやザ・スター・クラブやザ・スターリンや、幾つものハードコアバンド等はそれ以前にも存在したが、今、日本でパンクと呼ばれる音楽スタイルの源流になっているのは、ザ・ブルーハーツである。「AIR JAM」勢も青春パンクもエモもそれ以降も、現在もそうである。と、僕は思っていて、それらの中でも最初の全国流通盤で《眠れない夜に私 ブルーハーツを聴くのさ》(“アストロビスタ”)と歌って登場したハルカミライは、その究極にして今最も成功しているバンドのひとつだと思うのだが、この新録の5曲は、ターニングポイントなのかもしれない。音楽性にしろ歌詞にしろメロディにしろ「わかるわかる」と共感して聴いてきたが、その「わかるわかる」を超えて、もっと先に連れていってくれるスケールのでかさが……いや、前の作品にもそれはあったが、今作はいっそう強く感じる。もう十二分にでかいバンドだと思っていたが、まだ全然可能性があることを示す5曲。(兵庫慎司)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より)
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ターニングポイントかもしれない
ハルカミライ『Symbol 2』
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