幼少期から続けたサッカーを怪我と病気で辞めたあとに音楽の道へ進み、高校卒業後に上京。地道なライブ活動を行いながらオーディションなどで結果を残し、コロナ禍でSNSを通じ“ラブソング”や“て”などの楽曲が広まる。音楽を始め約10年というタイミングでたどり着いたメジャーデビュー。そんな人生を歩んだ彼だからこそ書ける楽曲が揃った。
「春を彩る出会いと別れ」をテーマに制作した新曲6曲と、インディーズ時代の人気楽曲8曲を収録した2枚組アルバム。高らかなドラムカウントで始まる1曲目の“夏風を待って”から《すぐに叶うことは時々しかあり得ない》《変わらないペースでいこう》など、地に足のついたバンドサウンドで焦らないことの大事さを説く。憂いのあるシティポップ、物事が動き出す瞬間の高揚がきらめく壮大なポップソング、ファンに向けたであろう歌詞に優しさが灯るアコースティック色の強いワルツなど、変化の多い季節に時に追い風を吹かせ、時に立ち止まらせる。不安をなだめるような“ざわめき”の《まだ大丈夫》の優しい声は、心を軽くする魔法のようだ。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)
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