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約半年ぶりの新曲は、マクドナルドとのタイアップ曲！……にもかかわらず、タイトルは“スマイルあげない”。作詞作曲は水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミとの共作で、ポテトが揚がる時に鳴る「ティロリサウンド」的な半音階のメロディが中毒性抜群、変幻自在のトラックとanoの特徴的な声が相性抜群な、“ちゅ、多様性。”を思わせるキャッチーな楽曲だ。そのポップなサウンドに乗せて歌われるのはしかし、《ギリギリ生きてる毎日》《やっぱ足りてない協調性》《人とコミュニケーションは難しい》という「生きるのクソヘタ」な日々。デビュー曲“デリート”から最新曲“ンーィテンブセ”まで一貫して、クソみたいな世界に馴染めずとも個を守り抜く姿勢を見せ続けてきたanoは、今作でも決してブレていない。《スマイルあげられ》なくても、《僕は僕のままのキャラクターで／世界をジュワっとあげちゃうぜ》――。多様性を丸ごと肯定するanoのシニカルで優しいスマイルが、世界的企業の大型タイアップの陰に隠れて、密かに浮かんでいる。（畑雄介）（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋）
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