ano、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初のメインステージ出演。数万人の観客を前に圧倒的なパフォーマンスを見せながら、anoは自信たっぷりにこう叫んだ。「アーティストもアイドルもロックバンドもタレントも全部引っくるめて最高の瞬間を届けにきました!」──。「愛してる」って自分では言わないけど、だからこそめっちゃ求めてるんじゃないかな。
「愛してる」って言える相手を求めてるし、「愛してる」って言われたいんだろうなって
そんな激熱なステージで披露してくれた新曲が、ano初のラブソング“愛してる、なんてね。”。“普変”の尾崎世界観による叙情的なメロディを“スマイルあげない”のケンモチヒデフミがハイパーにぶっ飛ばした先で、anoのオリジナリティ溢れる言葉が自由に踊る、異種格闘技戦的な魅力を持つポップミュージックである。この混ぜるな危険なコラボを成立させられるのが、ふたりに負けない個性を持ちながら、あらゆるジャンルを「全部引っくるめて」最高の音楽を届けられる、anoのアーティストとしての強さなのだ。
この特別なコラボはどうして生まれたのか。怒りや復讐心をエネルギーに表現を続けてきたanoがなぜラブソングにチャレンジしたのか。“YOU&愛Heaven”、“絶絶絶絶対聖域”、“愛してる、なんてね。”のすべてで歌われている「絶対的な存在」とはなんなのか──ROCK IN JAPAN出演直後、さっきまでの熱狂が嘘みたいに感じられる静かな楽屋で、anoはひっそりと語ってくれた。
インタビュー=畑雄介 撮影=横山マサト
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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