【JAPAN最新号】ブランデー戦記、サナギから蝶への変身。ロックを纏い、ポップを切り開いたEP『悪夢のような1週間』を蓮月が語る

【JAPAN最新号】ブランデー戦記、サナギから蝶への変身。ロックを纏い、ポップを切り開いたEP『悪夢のような1週間』を蓮月が語る

『人類滅亡ワンダーランド』は完全に自分のためだけに作った曲が多くて。歌詞もみんなが読んだらあんまり理解しにくい言葉になってた。でも、今回は外に向ける気持ちがありました

新世代のバンドシーンの中で圧倒的な異彩を放ちながら、真にかっこいいバンドを求めるリスナーの心に刺さりまくっているブランデー戦記
心の裏側にフラッシュライトを撃ちながら疾走するバンドサウンド、そして冷めた気分と背中合わせの青く燃える気持ちをポップに放つ歌。そのシンプルな個性とエッジーな存在感で話題と支持を高めてきた彼らが新たな展開を見せるのがこのニューEP『悪夢のような1週間』だ。

3曲目に収められた“悪夢のような”は、柔らかなシンセの音で始まり、モジュレーションが効いたギターからの、初のソウルフルなビートが跳ねるポップソング。バックトラックはシティポップ的と言っていいかもしれない。そこに蓮月のクールで真摯な歌声が乗る。初めて耳に飛び込んできたときにはその大きな変化に驚いたが、でもこれは変化ではなくて新たなチャンネルなのだとすぐにわかった。彼らは何も変わっていない。後半に切り込んでくるヘヴィなギターリフ、そして《煌めく毒針/大きく私が口を開けるからね/君が取り出して/一緒に戦うの ルシファーの首へ》というパンクで詩的な歌詞、まさにブランデー戦記そのものだ。
ロックのエッジを鮮やかに体現しながら、新たなポップのチャンネルをあっけらかんと開くブランデー戦記はもはや無敵だ。

インタビュー=山崎洋一郎 撮影=Miss Bean
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)


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