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5月にセルフタイトルである1stアルバム『BRANDY SENKI』をリリースして以来の新曲。単純な発想だが、「ブランデー」戦記だけに「ワイン」が掲げられた曲名であるところから気合いを感じる。そして曲調は、バンジョーが印象的なカントリーで、歌詞やギターソロは昭和歌謡を思わせるような艶やかさや枯れた味わいがある。ますます大人に好かれてしまうのではないだろうか……というのは余計な心配だろう。ここ数年アメリカでカントリーが復権を得ているのは言わずもがな。懐かしいものから新しいものまで、自分自身の感性の赴くままに音楽を取り入れている蓮月(G・Vo)らしい方向性だと思う。演奏も、バンジョーやコーラスが体温を感じさせる一方で、ビートには躊躇なく打ち込みを取り入れ、最新系日本流カントリーを完成させているのだ。歌はじまりから惜しげもなく聴きどころを畳み掛ける展開も、今どきのリスナーの耳を掴むはず。これを入り口にカントリーや昭和歌謡にハマるキッズが増えたら嬉しい。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より)
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