【JAPAN最新号】ポップミュージックシーン最大の注目作! 米津玄師4年ぶりのアルバム『LOST CORNER』に込められた苦悩、そして希望──アルバム全曲レビュー

【JAPAN最新号】ポップミュージックシーン最大の注目作! 米津玄師4年ぶりのアルバム『LOST CORNER』に込められた苦悩、そして希望──アルバム全曲レビュー

全20曲、圧巻のクオリティとボリュームで迫る大作であり、傑作である。『STRAY SHEEP』後の4年間、米津玄師は世に放つ1曲1曲が最大級の話題性をもたらすような活動を繰り広げ、もし今の世にもロックンロール・ドリームというものが存在するならそれを体現しているのは米津だ、という時期を潜り抜けてきた。誰だってそう言うだろう。そして、ロックンロール・ドリームは狂気の世界でもある。人々の期待に応えなければならないプレッシャーや、不特定多数の好奇の目に晒されるストレスは、想像を絶するものがあったはずだ。そんな季節を潜り抜けて、米津がニューアルバムを発表した。既発曲も多く含むが、プレイリストではなく絶対的なアルバムである。もっと踏み込んで言えば、あの主題歌やあのCM曲を歌った米津玄師ではなく、ひとりのアーティストとして「アルバム体験」というものを約束することこそが、この『LOST CORNER』という作品なのである。都度タイアップのテーマと表現方法を探る苦悩も、狂気と渡り合ってきた日々も、克明に4年間が刻みつけられた作品と言っていい。このアルバムこそが、米津玄師だ。アルバム全曲レビューを通して、その内実に踏み込んでみたい。(以下、本誌記事に続く)

文=小池宏和
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)


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