会いたいけれど会えない、だからこそ育まれる恋心

ヤングスキニー『君の街まで』
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ヤングスキニー 君の街まで
ABEMAオリジナル恋愛番組『恋する♥週末ホームステイ 2023夏』のOPテーマとして書き下ろされた最新曲。遠く離れた場所で暮らすふたりが恋に落ちていくという番組のコンセプトと重なるよう、素直に会いたいという気持ちが男性視点で綴られており、一見するとらしくないストレートなラブソングにも思えるが、会いたいのに会えないという現実に翻弄される様は矛盾を真正面から捉えるヤングスキニーが描くべき視点であろう。“本当はね、”の大ヒットでバンドの規模感は大きくなったが、最後に《六畳一間のワンルーム》と出てくるように、歌われるのはパーソナルで抱きしめたくなる世界観なのもいい。そんなもどかしさが投影されたのか、夏の季節を感じさせる爽快さがありつつ、カラッとしていないサウンド感。少しささくれだった心のようにザラつきもある。普段は飄々しながらクズみが強いかやゆーだが、求め合う人と会いたい気持ちは人一倍濃い。ツアーでファンへ会いにいくバンドマン視点と読み替えてもグッとくる。(ヤコウリュウジ)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)


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