『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
“アカシ”や“まばたきの途中 feat. 橋本愛”“スプレー feat. SKY-HI & 谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)”といった配信シングル曲も収めた、セルフタイトルの3rdアルバム。“月と蝶”のファンキーな切れ味、“次の朝へ”のメロウな切なさ、“正者の行進”のマッシブなスケール感……と多彩な表情を見せながらも、XIIXの楽曲は常にオーセンティックなロックのタフネスと、僕らの一歩先を行くようなハイパーな近未来感と、時代にも状況にも屈しないパンキッシュな骨太感を宿している。それは斎藤宏介&須藤優というふたりの精鋭の素養やパーソナリティよりはむしろ、ふたりが思い描く音楽とロックのロマンと理想に基づくものだろうし、それが斎藤&須藤の創造性にXIIXという名の必然性を与えている――という構図が、今作からは改めて克明に伝わってくる。androp・内澤崇仁と斎藤の共作詞による“魔法の鏡”のクールな浮遊感も、ラスト2曲“タイニーダンサー”〜“All Light”の精緻でファンタジックなポップ感も秀逸。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』9月号のご購入はこちら
他ラインナップはこちら