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前作から約7年ぶり、新体制になって初めてとなる、9作目のオリジナルアルバム。先日「SATANIC CARNIVAL」で久々にライブを観て、喜怒哀楽を豊かに表現しながら、エンターテインメントと日常を自然に行き来する姿に感動したのだが、今作はまさに、そんな今のMONGOL800が詰まっている。全12曲、どれも今のメンバーを感じる楽曲。サポートのKubotyのギラギラしたギターで新境地を見せ、SeasirのトランペットやNARIのサックス&フルートを活かしたスカが際立ち、もちろん粒マスタード安次嶺のダンスも目に浮かぶ(!?)明るいムードも漂う。それでいて、キヨサクの歌心はブレずにピュア。《生きることは選ぶこと/どこに転んでも生きること》(“チョイス”)。《どうにもならない夜を楽しめ》(“三十九の春”)。もう、幾度そのフレーズに泣かされたか。極めつきは、切ない印象の強い童謡“シャボン玉”の、カラリと突き抜けたカバー。この人たちは、どんな状況でも光に連れていってくれる――改めて信頼が湧いてくる。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)
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