『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
緑黄色社会は夏が似合うバンドだ。力強いメッセージと同時に不安や迷いも綴られた青春ドキュメントのような楽曲は、夏のセンチメンタルによく映える。そんなリョクシャカが、“夏を生きる”に続く「夏ソング」として届けるのがこの“サマータイムシンデレラ”。長屋晴子のボーカルは「灼熱」というより、日暮れのアスファルトや夜風にこもる余韻のような熱さを持ち、peppeのキーボードは水飛沫のように清涼感を振り撒いてゆく。作曲を手掛けた穴見真吾は《届けどうか このまま熱さが醒めないように/やがて迷子の夜すら超えてゆく》というピュアな恋心にあわせてドラマチックなメロディで曲を彩り、その恋の行く末は小林壱誓によるカップリング曲“マジックアワー”で《夏が過ぎてもこのままで/隣りに居させて/いつでもその姿映していたいだけ》と切実な愛に変わる。夏は毎年来るけれど、今年の夏は一度しか来ない――そんな当たり前の奇跡を教えてくれるこの2曲は、リョクシャカ夏のアンセムとして毎年輝き続けるのだろう。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』10月号のご購入はこちら
他ラインナップはこちら