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収録曲を総括し、『どんなことにでも幸せを感じることができたなら』とメジャー1stEPを名づけた彼らが、再びタイトルを歌詞から引用するスタイルに戻した。とはいえ、単に響きのいい言葉を引っ張ってきたわけでもなく、収められている楽曲は、どれもこれも不器用な私の物語ばかり。同じタバコを吸うことで好きな人を理解しようと試みる“雪月花”、ベランダに溜まっていく吸い殻に冷めていく気持ちを察する“ベランダ feat. 戦慄かなの”。なんなら、周りからの偏見を《ロックだ うるせえ》と蹴散らす“精神ロック”だって、不器用な私(かやゆー)の物語である。人間という生き物は不器用で面倒くさくて、だからこそ美しい。ヤングスキニーの生々しい音楽は、その事実を思いださせてくれる。また、5曲中4曲はドストレートなロックサウンドとなっており、ライブバンドたる彼らを感じられる仕上がりだ。エフェクターに頼りすぎないシンプルな音作りにも、4人の真っすぐな素性を感じられて好感が持てる。(坂井彩花)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
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