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4月に20歳を迎えるLANAによる10代最後のEP。LANAの10代は、“Almost 20”で歌われるように《今は誰も寄せつけたくはないの》と周囲の人々を敵だと感じてしまい自ら孤独へと向かった時期もあったが、愛と自分の可能性を知ることで世界に輝きを取り戻した。20代ではさらに多くの感情を知って、それらを音楽に昇華させていくことだろう。これまでも海外トレンドに敏感で身体に響いたジャンル感をすぐに自身の作品に取り入れてきたLANAだが、今作は《ダイヤルを回して》という歌詞で始まるノスタルジックさのあるシンセポップ“Almost 20”からスタートし、バトンルージュ調のビートを乗りこなす“WE WANT!!!(feat.7)”を挟み、爪弾くギターやストリングスの柔らかなサウンドで強気な主張の裏にある本心をエモーショナルに歌う“For bbys”で締め括る。LANAの歌唱法の幅が広がっていることを見せつける作品であり、この先もラップやR&Bという表現をさらにアップデートしてくれることを予感させる。(矢島由佳子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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