『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
メンバー4人をRPGの世界の戦士のように描いた可愛らしいジャケ写からポップな曲を想像したが、今までの90年代風シティポップやアコギで奏でる軽やかな楽曲とは方向性が異なるmuque史上最高にかっこいいに全振りしたロックチューンだ。洋楽と邦ロックのいいとこ取りをしたような楽曲で、イントロから既に心を掴まれてしまう。爽やかで優しい声が特徴のAsakuraだが、今までとは真逆の力強く芯の太い歌声で中毒性がある。muqueの楽曲は自由な比喩表現が特徴的だが、今回はストレートで真っ直ぐな言葉が多く、アッパーな曲調に乗せて歌う《あの子》への感情は、誰もが経験したことのある嫉妬や妬みなどネガティブな感情を表していて人間味が溢れている。《あーいう系/そういう系/大人になったら関係ねぇ》と歌う怒りや訴えは、リスナーへの愛が故の感情であり、《君の元は愛で溢れよ》と伝えるAsakuraの強さと優しさを感じた。日常の《集まる悲劇》も笑い消してくれる勇敢な4人の戦士たちにこれからもついていきたい。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』6月号のご購入はこちら