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バイリンジボーイの曲を端的に言い表すならば、「まっすぐ」ということになるのだろう。仲間たちと音を重ね合わせる素朴な喜びに満ち溢れている3ピースロックサウンド、感情を迸らせるように綴る歌詞の潔いストレートさは、青い季節の真っ只中で噛み締める感情と自ずとシンクロするだろうし、年齢をある程度重ねたリスナーが胸の内にこっそりとしまい込んでいる青い記憶も刺激し得る。3ヶ月連続リリースを締めくくる“ロックスター”も、そういう持ち味と向き合わせてくれる曲だ。伝えることができないまま募り続ける恋心を《いつかロックスターになれたなら》という想像に繋げて爆発させている様は、微笑ましいと同時に生々しい。行き場を見つけられない感情を音に託すのはストリートミュージックの基本だが、これは実はとても難しい。なぜなら身の丈に合わないことをすると瞬く間にリアリティが色褪せて熱量が急降下するからだ。切実な想いの産地直送は、今後もこのバンドの大切な作風となっていくのだと思う。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)
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