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アルバム単位では実に6年ぶり。その間にはコロナ禍もあり、活動休止やHiroの脱退とDaikiの加入による構成の変更などバンドにとって未曾有の出来事も経験したわけだが、帰還後初のツアーでは2025年に幕張メッセにてバンド史上最大のワンマンと主催フェスの開催を発表。来る大舞台への狼煙となるのがこの『AЯK』だ。新体制最初に発表した“ZERO”の時点から窺えた通り、幾層にも重ねられた分厚い手触りのメタルコアでありながらシンガロングやシュプレヒコールの光景が眼に浮かぶ曲が中核を固め、トランシーなサウンドに男女ツインボーカルが映える“God Speed feat. WARGASM”や、ウィスパー混じりの美声と共に夢見心地で推移していく“Night Waves”あたりで変化をつけている。白眉は終盤の“Afterglow”から“Canopus”への流れだ。メロディックパンクの如きポジティブな響きを持ったニューアンセムが告げるのは、「共に夢を見よう」というメッセージ。破格のスケールで動き出す方舟が、我々を新世界へと誘う。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年8月号より抜粋)
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