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今年2月に新体制初のミニアルバム『BREAK』をリリースし、自分たちの型を破ってみせたヤユヨ。その後、1発目となる作品なため、同じ空気を引き継いでいるのかと思いきや、さらなる変化を重ねていて驚いた。どちらの楽曲も、グッドメロディと真っすぐなバンドサウンドが印象的な初期ヤユヨと新しいことをやっていこうと踏み出した“POOL”以降の第2章ヤユヨのいいとこ取り。シンプルな構成でありながら、コーラスがほしいところでやってきたり合いの手を打つ対旋律が絶妙だったり、ニヤリとしてしまう仕掛けが盛りだくさんで、確実に『BREAK』の先へ進んだことを物語っている。作詞は2曲とも、恋愛の歌詞を得意とするリコ(Vo・G)が担当。“エス・オー・エス”では消化できない恋を《反吐が出そうだよ》とポップに毒づき、“ふたり曜日”では何気ない日々の幸せを《ビニールの中ではしゃぐお弁当》などの描写を交えて温かに紡ぐ。ずっと恋愛詞と向き合ってきた経験を活かし、異なるタイプの恋情を鮮やかに描いた。(坂井彩花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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