いつだってまた新しくなれる

テイキング・バック・サンデイ『ニュー・アゲイン』
2009年06月10日発売
ALBUM
テイキング・バック・サンデイ ニュー・アゲイン
これまで幾度も変化をくぐり抜けてきたテイキング・バック・サンデイが、通算4作目となる新作で「もう一度新しく」なって帰ってきた。06年の前作『ラウダー・ナウ』はビルボード初登場2位を記録するヒット作となったが、セカンドから一緒だったフレッド(G&Vo)が07年に脱退し、その痛手を乗り越えての新作制作となった。しかし新メンバーのマット・ファッジがバンドにポジティブなエネルギーをもたらしたことは本作を聴けば明らかだ。サウンドの攻撃性が新たな次元に達していて、彼らのニヤリとした不敵な笑顔が透けて見えるようだ。アダムは今回初めてパーソナルな思いを単刀直入にぶつけたと話しているが、彼の歌詞やボーカルに宿るいい意味での“狂度”は失われていない。「僕はずっと君を見ていた」とねっとり繰り返し、「僕を切り刻んでくれ、ジェニー!」と絶叫するM7がもたらす恍惚感といったら。そしてリズムに身をまかせているだけでトランス状態になりそうなM2やハンドクラップの嵐のM3などなどライブが待ちきれなくなる曲ばかり。「こんなに楽しいのは久しぶり」というアダムの笑顔を生で見たい。(網田有紀子)
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