先頃ジョージ・ハリソンへのトリビュートＥＰを発表したジム・ジェームス（マイ・モーニング・ジャケット）、シー＆ヒムとしての活動でも知られるＭ・ウォード、そしてブライト・アイズの顔コナー・オバーストと、同じく敏腕プロデューサー＝マイク・モーギスの４人が組んだスーパー・プロジェクト。共同でツアーを行なっていた延長で、こうしてアルバム制作も実現したそうだが、特に誰が主導権をとるでもなく、完全に対等なコラボレーションだったらしく、実際に音を聴いてみても、各ソングライターの個性が均質に混ざり合っていることが分かる。

互いの存在が刺激となってアイデアは次々と沸き出し、それらがぶつかりあうこともなく、レコーディングは極めて楽しい雰囲気で進んだという。さらには演奏も全て４人で行なったので、各自がドラムをはじめ様々な楽器をプレイしてみたり、はたまた他人が書いた詞を歌うようなケースが出てきたり、そうしたプロセスを、各人は思い切りエンジョイした様子だ。ここでの経験を彼らが今後どう自身の作品へと活かしていくのかも楽しみだが、まずはこの大きな収穫を堪能しよう。（鈴木喜之）