インディ/メジャー両刀使い

スノウ・パトロール『アップ・トゥ・ナウ』
2009年11月11日発売
ALBUM
かつてベルセバとジープスターで同窓だったスノウ・パトロール。けれど、いまやそんなことを誰も気にしないくらいのビッグ・バンドになってしまった。名バラード“チェイシング・カーズ”が海外TVドラマで使用され、驚異的なロング・セールスを記録。これまでに累計1000万枚を超えるセールスを上げ、しかもサイド・プロジェクトとしてベルセバやモグワイのメンバーも名を連ねるレインディア・セクションの活動も行ない、インディ界隈とのコネクションも継続。ある意味、最も理想的な立場にあるバンドと言っても過言ではない。でも、日本ではまだその状況に追いついてないのが現状だ。最も内外格差のひどいバンドの一つと言えるかもしれない。

本作はそんな彼らのベスト盤。2枚組30曲で、新曲3曲に加えレインディア・セクションの楽曲も収録。もちろんジープスター時代の音源も入っている。どれも決して派手な曲ではないが、逆に言うと、こういう楽曲で市場に理解されたのがスノパトの奇跡。コールドプレイと比較されることも多い彼らだが、その意味で全然違う。“ラン”の教会ライブ・バージョンは最高。(古川琢也)