あまりに目映い「原点」が照らすもの
the HIATUS『2009.07.21 Trash We'd Love Tour Final at Studio Coast』
2009年12月23日発売
DVD
今作が「わずか5ヵ月前の初ツアー=『Trash We'd Love Tour』ファイナル公演の映像」であると同時に「ツアー2本(『Ghost In The Rain Tour』、そしてテナーとの対バン・ツアー『BRAIN ECLIPSE TOUR』)前のライブ映像」であることに改めて驚く。ここに収められた映像でのthe HIATUSは、言わば「覚醒期」的な時期をまさに終え、ここからさらなる音楽的爆発へ向かおうと沸々としている状態にある。だからこそ、ここでの細美は、“Ghost In The Rain”でも“Centipede”でも“The Flare”でも、新たな音楽集団としてのダイナミズムを獲得して喜びに打ち震えるようなヴァイブを発信しているのと同時に、自らが1つ1つ鳴らしていく1stアルバムの楽曲すら焼き尽くしかねないほどの熱量の誕生の予感を、真摯な視線で見つめてもいる。アンコールの最後、「本気で歌えば伝わるってことだけは、未来永劫信じてるから」と細美は言った。あまりに壮絶すぎるthe HIATUSの「原点」にして、その後の急加速的な音楽の広がりをも黙示録的に告げている、09年の歴史に深々と刻みたい珠玉の映像作品。(高橋智樹)
2009.12.21 10:00