指鉄砲で核を討て!
THE BLUE HEARTS『ALL TIME SINGLES ~SUPER PREMIUM BEST~』
2010年02月24日発売
ALBUM
ブルーハーツの音楽は間違いなく武器である。と同時に、彼らはいつだって武器を所持していない。ナイフ、ハンマー、鉄砲、原爆など、彼らの歌には武器兵器が頻繁に登場するが、それらはことごとく敵側の手中にある。《原爆つきつけられても/クソッタレって言ってやる》(“僕はここに立っているよ”)というその基本姿勢は、初期装備でラスボスに立ち向かうどころの騒ぎではない。無謀にも程がある。しかしだから話しあえ、と言っているわけでもない。そんな生ぬるい態度では相手にもされない。必要なのは反撃の姿勢と気概である。だけどそんな精神論では何も起こらないのも事実。しかし彼らには、心をダイレクトに射抜く言葉とメロディがあった。そしてそんな目に見えぬ武器を、ただひたすらに磨き上げるストイックな鍛冶屋の如き姿勢だけが、奇跡の錬金術でしか生みだし得ぬレベルの、鋭利な言葉と美しいメロディを生成した。姿勢、言葉、旋律。その三位一体から生まれた音楽は、相手がデカければデカい程に力を増す。結成25周年、全シングルA・B面を網羅したこの作品は、戦いの記録である。(井上智公)
2010.02.22 10:00