なんだかんだを経て、とにかく復活を果たしたストーン・テンプル・パイロッツの、セルフ・タイトルを冠した9年ぶりの新作。リード・トラックでもある1曲目“ビトウィーン・ザ・ラインズ”から勢いに溢れている。そして、なんだか全体的にさっぱりした印象。もっと、こってりしてなかったっけ? もちろん過去にもポップな曲はあったけれど、6曲目の“シナモン”とか、ピアノをフィーチャーした最終曲“メイヴァー”なんか、ぜひUKロック好きな人にも聴いてほしいと思う。
05年のソニックマニアでヴェルヴェット・リヴォルヴァーを観た時はあまり感心できなかったので、この新作の抜けの良さには、なんとなくホッとする。個人的には最も気に入ってた『シャングリラ・ディー・ダ』のモードも延長されつつ、力みすぎずにバランスのよいところへ着地できた感じだ。最新のストーン・テンプル・パイロッツがこんな快活な状態だというならば、ぜひ生でも確認してみたいという気持ちになるが、もし実現できれば五反田ゆうぽうとで観た初来日公演以来となる日本でのライブは……やっぱり難しいんでしょうかね……。(鈴木喜之)
今度はうまくいきますように
ストーン・テンプル・パイロッツ『ストーン・テンプル・パイロッツ』
2010年05月26日発売
2010年05月26日発売
ALBUM