エルス本国では昨年7月にリリースされていたゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ通算12枚目のアルバムが、ようやくの日本盤化。バンドは活発に活動を続けていたのだが、ここ何作かは日本盤が出ていなかったので、これは嬉しい。しかし、何がいちばん嬉しいって、このアルバムが最高なのだ。リネルとフランズバーグ、職人気質のふたりのジョンが生み出すポップ・ソングは、結成から四半世紀を過ぎても枯れることを知らないどころか、クラシックとしての風格すら漂わせる。ダスト・ブラザーズがプロデューサーだということも影響しているのだろうか、「いま」というより90年代っぽい、つまりちょいダサな雰囲気がかえって心地いい。とくに頭3曲、ノイジーなM1からソウルフルなM2、そしてドラムンベースというよりジャングル(!)なリズムが楽しいM3にいたる展開には思わずにんまりする。アメリカではTVアニメに起用されたり、子ども向けにアルファベットや数字の歌のアルバムを作ったり、「家族みんなに愛されるポップ・マイスター」としての地位を確固たるものにしつつあるTMBG。この絶妙な懐かしさは、確かに泣ける。(小川智宏)