再結成後、2枚目となるアルバム。スチャダラパーのボーズが参加している “SQUALL”、THE BACK HORNの山田将司との“愛しさの中で”といったコラボ曲も聴くことができる。FLYING KIDSといえば、濃厚なファンクサウンドが醍醐味。本作もその風味を脈打たせつつ、浜崎貴司の色気たっぷりの歌声が存分に発揮されている。作品の全体像に関しては、人生の折り返し地点を通過しつつある年代の心情を丹念に描いている点が印象的だ。“愛しさの中で”は、過ぎゆく日々の速度に飲み込まれず、瑞々しい感情を忘れずに生きていきたいという願いを感じる。幼年時代の風景を描きながら、失ってしまったのかもしれない何かについてふと考える“カクレンボ”。子供の頃に爆笑した人気キャラをモチーフとし、現在の自分が暮らしている時代を見つめる“バカボンパパ”。そんな楽曲群を鮮やかに総括するのが、“LIFE WORKS JOURNEY”だ。未だ見ぬ場所へとひたすら歩み続けようとする足取りが、この曲には刻まれている。穏やかなトーンでヴァイタリティをチャージしてくれるアルバムだ。(田中大)