通算10作目となるアルバム。1994年のセカンド・アルバム『マイ・ライフ』のタイトルを引き継いでいるのだが、生きている限り人生を見つめる作品は何度生み出されても良いだろう。ディディ(当時はパフ・ダディ)のプロデュース作に回帰している訳ではなく(ディディ曲にリル・ウェインを招いて制作されたリミックス・シングル“サムワン・トゥ・ラヴ・ミー(ネイキッド)”はボートラとして収録)、新しいキャリアに踏み出す強い意志と、これまでのメアリーの経験が落とし込まれた深味のある表現が同居する作品となっている。
前半は、バスタ・ライムスとの共演“ネクスト・レヴェル”からシングル曲“25/8”へと至る流れが凄い。メアリーとバスタ、ヴェテラン2人の状況をこじ開けようとする意気込みは必聴。後半にもリック・ロスやビヨンセらが登場するが、ドレイク参加の“ミスター・ロング”で「バッド・ボーイはひどいし、グッド・ボーイは面白みに欠けるわ」という、メアリーのキャリアからホロリと滲み出るような女心にグッとくる。タイトル通り続編も用意され、そちらにはカニエも参加。(小池宏和)
女王である前に女、の人生
メアリー・J.ブライジ『マイ・ライフⅡ…ザ・ジャーニー・コンティニューズ(アクト1)』
2011年12月14日発売
2011年12月14日発売
ALBUM