“elegy train”は、誰もが再生ボタンを押した瞬間に仰天することだろう。いきなりスピーカーから流れ出すのは、坂本龍一の“energy flow”のピアノの調べだ。ものすごく有名なあのフレーズを大胆に盛り込みつつ、SBKは狂おしい世界を思いっきり展開してくれる。胸をしめつけるようなメロディ&ハーモニー、囁くように艶かしく脈打つラップ。これらが一体となって生まれているのは、キャッチーでメロディアスでもあるし、心地よく体を揺らすことも出来るし、我を忘れてじっと聴き入りたくもなる……という音楽だ。「開放的/内省的」という、相反する要素が融け合った不思議な快感が“elegy train”には渦巻いている。
復活の第一歩目から、SBKは抜群に冴えている。またワクワクさせられ続ける日々が始まりそうだ。(田中大)