ローゼズの再結成やらニュー・オーダーの再結成やら、レジェンド達のレトロスペクティヴな動きが続くUKギター業界だけれど、なんとあのキャストまで再始動してしまった。いや、これをレトロスペクティヴと呼ぶのは違うかもしれない。なにしろ本作は11年ぶりの正真正銘の新作であって、しかもプロデューサーはジョン・レッキー! あのブリットポップ期のキャストの大ヒット作『オール・チェンジ』を手掛けたレッキーが再び彼らとタッグを組んでいる。そう、本気すぎる布陣なのである。ちなみにこの11年の間にはラーズの再結成もあった。ラーズとキャストという2本の柱の再建に取り組んだ結果、ジョン・パワーが最終的に選んだのがキャストのオリジナル・メンバーで作る新作、ということだったのだろう。一言で言うなら、なにひとつ変わっていない。むしろ、変わらないこと自体が本作のコンセプトだったんじゃないかと思う。ブリットポップの代名詞でもあるリリカルでビートの効いたメロディ、しかし彼らの前史にはラーズ=サイケデリックなギタポがあったことも同時に伝えるぬかりない構成。最盛期の彼らが蘇ってくる。(粉川しの)