YANAGIMANプロデュースによる“大地のシンフォニー”は、人生賛歌と呼ぶべきミディアムバラード。人々や社会の営みを「シンフォニー」と表現したところに、この楽曲の肯定的なメッセージが集約されている。ただし、この楽曲には「人生って大変だよねぇ」と聴き手を慰めるような視点はない。宮本はまるで時間の流れに逆らうように「シンフォニー!!」と力の限り歌い上げるのだ。
人生と共に走る音楽というよりも、人生の一瞬を垂直に切り取り、聴き手に差し出す音楽。「ベイビー」というシャウトが美しい“約束”を含め、今回のシングルがもたらす目眩もまた、かけがえのないロックの贈り物である。(神谷弘一)