判断の正しさを証明する音

ザ・ヴュー『チーキィ・フォー・ア・リーズン』
2012年07月04日発売
ALBUM
ザ・ヴュー チーキィ・フォー・ア・リーズン
メジャー傘下の<1965 Records>を離れ、名門インディー<Cooking Vinyl>からリリースされる4作目のAL。ザ・ヴューが<1965 Records>と袂を分かつというのは、それだけでひとつの時代の区切りを受け止めさせるのだけれど、その割には前作『ブレッド・アンド・サーカシズ』から1年ちょいとリリース・ペースが早い。僕は前作のどっしりとした手応えを受け止めさせるザ・ヴューには大きな頼もしさを覚えてとても好きだったのだが、実はバンド側の本来の意向とはそぐわない作風で、ストレスを抱え込んでしまっていたらしい。本作は以前から希望していたマイク・クロッシー(アクモン、レイザーライト、トライブスなど)をプロデューサーに迎え、軽やかにパンク・スピリットを響かせている。なるほど、もの凄い開放感だ。

勢いのあるコーラスが前面に押し出され、ジャケット・アートワークもサウンドもパンキッシュだが彼らの曲の良さは不変の輝きを放っている。デビュー時のフレッシュネスとこれまでに培われた経験値が共存するという、奇跡的なバランスが成立しているのだ。これを見据えていた彼らには、ただただ脱帽。(小池宏和)
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