カナダのキラ星、輝きを増す

スターズ『ザ・ノース』
2012年10月17日発売
ALBUM
スターズ ザ・ノース
エイミー・ミランやトークィル・キャンベルらメンバーの一部がブロークン・ソーシャル・シーンの一員も兼ねることで知られるスターズ。スターズをはじめBSSの周辺には個性的なバンドが集まるが、なかでもとびきりのポップ・センスを誇るのがこの5人組だろう。本作は一昨年の『ザ・ファイヴ・ゴースツ』に続く6作目。前作で回帰を見せたエレクトロ・ポップ~シンセを効かせたエイティーズ・テイストを受け継ぎつつ、前々作『イン・アワ・ベッドルーム・アフター・ザ・ウォー』の生楽器をフィーチャーしたアンサンブルとは異なり、昨今のローファイ.インディ・ポップな感触もたたえたサウンドがバンドの新たな表情を引き出す、ファンにとってはたまらない内容に。男女のツイン・ヴォーカルが、ダンサブルでメランコリックな対照美を描くサウンドに映える。前作から古巣アーツ&クラフツを離れ、また今作からATOへ移籍と、新天地でのリリースが続くスターズ。そんなバンドの現在にふさわしく、フレッシュな魅力が詰った一枚だ。BSSの新作はもう少し先になりそうなので、その間にぜひ来日公演を実現してもらいたい。(天井潤之介)
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