初期衝動の先にあるものは

黒猫チェルシー『HARENTIC ZOO』
黒猫チェルシー HARENTIC ZOO
3年前のデビュー時に炸裂させた初期衝動を今も再燃焼させながら進んでいる4人、待望のセカンド・フル・アルバムは既発曲“東京”“アナグラ”を含む12曲。順調に大人の階段登ってるはずの彼等だが、バイクぶっ飛ばして停学になってもいいと、尾崎豊症候群を歌ったような“アナアキ・イン・ザ・スクール”で、甘っちょろいことなんか歌わんぞという覚悟を突きつける幕開けが痛快だ。けれども少し大人になったなと思うのは、“恋はPEACH PUNK”なんてタイトルから可愛いポップ・チューンに、Dr.kyOnのピアノがご機嫌な“HotボーイとCoffeeガール”と、甘酸っぱいラブソングが入っていることだ。そんなことを歌うのも恥ずかしいといった風情だったこれまでとは、ちょっと違う。ミッド・テンポの“雨のなか”も新鮮だし、ボブ・マーリィへのオマージュ溢れすぎな“ノーマン・ノークライ”やファンキーな“ブルーサマー”など、変化に富んだ曲揃えはバンドの間口の広がりを感じさせる。落ち着く気配は微塵もないが、初期衝動を抱えながらもその先へ、彼等も進んでいる。(今井智子)
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