開放的な歌と作曲はさすがだが

ニュートン・フォークナー『ライト・イット・オン・ユア・スキン』
2012年01月09日発売
ALBUM
ニュートン・フォークナー ライト・イット・オン・ユア・スキン
エド・シーランやマイケル・キワヌーカといったUK発の新世代シンガーソングライターが大きな支持を集める昨今。そのシーンの先駆けとして個人的に好きなアーティストが、パオロ・ヌティーニとこのニュートン・フォークナーだった。約3年ぶりのアルバムが日本盤化。2009年の『紅白歌合戦』でドリカムと共演していたあの人、と言えば通りが良いだろうか。オーガニックで大らかなサウンドと歌は、UKアーティストなのにジャック・ジョンソンやドノヴァン・フランケンレイターらに近い。全体的に大会場で人々を巻き込みそうな大振りでダイナミックな曲が目立つけれど、ギター・フレーズがヒップホップ的にカット・アップされる“ブリック・バイ・ブリック”の小気味好さや、トラッド風味な作曲が映える“ロング・ショット”なども面白い。

ただ、腕の骨折事故以降、デビュー作で触れることが出来たバカテクなギター・プレイはなりを潜めている印象だ。アコースティック・ヴァージョンの数々を収めたボートラも聴き応えはあるけれど、正直もっと凄かった。大らかな歌に潜む、バカテクの密室臭とエモーションが好きだっただけに寂しい。(小池宏和)
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