進化と貫禄と
フューネラル・フォー・ア・フレンド『CONDUIT』
2013年01月30日発売
2013年01月30日発売
ALBUM
メンバー交代やパートチェンジを経ての5作目『ウェルカム・ホーム・アルマゲドン』(2011年)では、原点回帰的なスピード感と、憂いを帯びたメロディ&スクリームの高揚感に焦点を当てて、長年培ってきたしなやかな筋力で爆発させたフューネラル・フォー・ア・フレンド。キャッチーさとヘヴィネスを極めつつ、旋律の肝である叙情性とか泣きのポップ性も増量して攻めてくる、ライヴ映え度が最高のアルバムだったけれど、このニュー・アルバムはそれ以上だ。スクリーム・パートも担っていたドラマーが脱退し、新たに元ライズ・トゥ・リメインのパット・ランディが加入。フレッシュなメンバーの勢いや迫力を活かして、前作の旨みをさらに凝縮している。収録曲の大半は2分台。しかしその質量は変わらずの、密度の濃さだったりする。前作からもメンバー加入からも短期間での制作だったと思うが、新メンバーとの化学反応をドキュメント的に記録した緊張感も、いい作用をしているだろう。新しく投入された音をいかに瞬時にバンドの血肉にしていくか、あるいはどうエッジとして見出していくか、そこで成功している内容だ。(吉羽さおり)