限界突破の大器

FOUR GET ME A NOTS『BLINKS』
2013年03月06日発売
ALBUM
FOUR GET ME A NOTS BLINKS
FOUR GET ME A NOTSが自らの殻を打ち破る素晴らしいロックアルバムを完成させた。やはりフォゲミは行儀よくメロコアに収まるバンドではなかった。全編英語詞で機関車のごとく猛烈なビートで突っ走り、美メロを駆使した男女混声ヴォーカルという奥義は失わず、よりダイナミックで奥行きのある楽曲が目立つ今作。自由な発想で音楽と向き合う姿勢は、海外にまで飛び出したライヴ武者修行の成果だろうか。特に6曲目、連綿と繋がる命の儚さを今に生きる自分への糧とする “Left behind”は、強靭なサウンドの中に咲く美しいメロディが強い説得力を誇る大作だ。ハードコアからメタル、ややポップ寄りのアプローチまで、今作ではまるで堰を切ったようにかつてないほど豊かな音像が溢れ出ていく。より広い視野で見つめた音楽の地平には、まだ未開の荒野が残っていた、そんな感じだろうか。11曲目、《「好きなことを続けること」/僕にはこれしかない》(訳詞)と歌う“Lifework”の伸びやかな歌声は、知らぬ間に囚われていた手かせ足かせから解放された歓喜の咆哮のようで身震いがした。傑作!(秦理絵)
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