正解よりも正しいロックンロール

Scars Borough『Nineteen Percent』
2013年04月03日発売
ALBUM
Scars Borough Nineteen Percent
これは驚いた。本作が3作目のアルバムとなる4ピース=Scars Boroughなのだが、大胆に打ち込みを導入した作風になっている。ただ、いわゆるハウス~テクノ寄りの4つ打ちダンス・ロックになっているわけではなくて、燻りながらひた走るロックンロールと同期グルーヴを絶妙のバランスで掛け合わせ、これがやたら格好いいのだ。高橋宏貴(Dr/エルレガーデン)が在籍するバンドなので、今後のライヴでそのグルーヴをどのように表現してゆくのかも気になるが、新作としての到達点は間違いなく高い。

加えて、どの曲も歌詞のキレが素晴らしい。求めるものをズバリと要求し、嫌なものは嫌だと伝え、思いを巡らせてもわからないものはわからないと明言することで、Scars Borough流最新型ロックンロールの機動力が最大限に引き出されている。ロックンロールに必要なのは、必ずしも正しい解答ではない。ロック・リスナーの貴方が求めるものは、解答を共に探してゆくための推進力ではないのか? 新作ツアーは5月からだが、本作リリースに先行して3月31日には渋谷CYCLONEで自主企画を開催。(小池宏和)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする