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歪みまくったギターリフが聴こえたと思ったら、ゴリゴリのノイズが振りかけられ、分厚いバンドアンサンブルに突入。Aメロではそぎ落とされたシンプルなアンサンブルになり、素朴な手触りのVaundyの歌声を際立たせる。サビで一気にパワフルなスタジアムロック感を爆発させつつ、ブリッジではぎゅいぎゅいと唸りを上げるギターソロが聴こえる。約3分半の中でさまざまなスタイルのロックが違和感なく詰まったような実験性あふれる展開がとても面白い。約1年前にリリースされたアルバム『replica』のあとにリリースされた楽曲は、どれもがとてもオーガニックな手触りで緻密なラフさのようなものを宿している。『replica』でインタビューした際にVaundyは「今出している曲はまだ僕の心から1、2メートルぐらい距離が離れているものだと思っているけど、次は僕の肌感覚にもっと近付けたアルバムを作りたい」と言っていたが、そんな次なるフェーズをひた走っている真っ最中なのかもしれない。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より)
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