これが2025年、もっとも新しいパンクミュージック――かつてないほど鮮やかに、社会の暗部を引きずり出した、スクイッドの傑作ニューアルバムについて訊いた!

これが2025年、もっとも新しいパンクミュージック――かつてないほど鮮やかに、社会の暗部を引きずり出した、スクイッドの傑作ニューアルバムについて訊いた!

現在発売中のロッキング・オン2月号では、スクイッドのインタビューを掲載!

以下、本インタビューの冒頭部分より。



「新作のどの曲も、ユニークな形で少しずつ違うことをやっている。何かが常に全体をリードする必要はない、その瞬間に任せればいいというのが自分たちにも分かってきた」


●前作から1年半ほどで新作を聴くことができて、嬉しくも驚きです(※取材は12月におこなわれた)。2作は並行制作していたのでしょうか?

アーサー「いや、『オー・モノリス』を書いたのは『カワーズ』の1年前だし、確かにとても近い時期に生まれたけれども同時進行ではない。ただ、『〜モノリス』の発売日(23年6月)と『カワーズ』のレコーディング終了日が被った、というのはあった。だから、『カワーズ』向けの最後のスタジオ作業を終えたところでパブに直行し、『〜モノリス』発売祝い兼打ち上げをやったっていう(笑)」

ルイス「『カワーズ』は、書き上げ、レコーディングし、リリースするまでの期間がこれまでで最も短い作品なんだ。新型コロナもあって、『〜モノリス』は書いてから発表するまでに1、2年、『ブライト・グリーン・フィールド』は出るまでに足かけ3年。対して『カワーズ』は、音楽を書き、録りを終えるのに半年しかかからなかった。すごく上手くいったし、メンバー全員、これまでやってきたプロジェクトの中でもベストなもののひとつという点で意見が一致している。それは主に、ソングライティングとアルバムの形成の過程で僕たちがとても集中していて、短期間で一気に作ったからじゃないかな」

●時期が近いだけに、『〜モノリス』と『カワーズ』は姉妹作的な関係にあるのだろうか?と感じたんですが。

ルイス「仲良し姉妹というより、『手に負えないガキども』って感じ(笑)。『〜モノリス』は反抗的だったし、それは自分たちの音楽的な領域を押し広げようとトライした作品だったからであって。僕たちは既にリズムのアイデアや楽曲構造でより複雑な音楽に興味を抱いていたけど、バンドとして置かれた状況を活用して、音楽性とミュージシャンシップとを前進させた。今回はその対極というか、もっとリラックスしていたし、楽曲の各部が無理せず自ずと形になっていく、『良い曲』を書く行為に、僕たちもゆったりしたノリで入っていけた。『カワーズ』と『〜モノリス』の初期プロセスと言えば、制作途中の音楽を披露した『Fieldworks』というツアー(21年)があったけど、僕は特に2作に?がりは感じないな。というのも、僕たちはアテンションスパンがあまり長続きしない連中だし(苦笑)、一旦『〜モノリス』が完成したところで音楽的にもエモーションの面でも、どこか別のところに向かってしまったんだと思うから」

●にしても、これまで以上に音楽的なコントラストが大胆な、中心点も次々シフトしていく作品で、聴いていると方向感覚を失うくらいです。

ルイス「ふたりとも、それは褒め言葉として受け止めるよ(笑)! 僕は、『カワーズ』では歌が一番の注目ポイントではない、そう感じる。どの曲もそれぞれに独立した短編小説みたいなもので、でもそれらは大きな一冊の本に一緒に収まっている、自分たちがそういう作品を作ったのは今回が初じゃないかと。どの曲も文脈の中においてそれぞれ、ユニークな形で少しずつ違うことをやっている、というかな。何かが常に全体をリードする必要はない、その瞬間に任せればいいというのが自分たちにもだんだん分かってきたんだ。オリーのボーカルが曲を引っ張る箇所もあるだろうし、トランペットの調べがそれをやることもある。そうした場面を見つけたらためらわずに、その瞬間をリードしている要素に自由に動いてもらう、という。『カワーズ』では特に、それをやったと思う」

(以下、本誌記事へ続く)



スクイッドの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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