オジー入りサバス35年ぶりの新作が完成。周囲の盛り上がりを考えればイケイケな内容になってもおかしくない空気だが、実にストイックな仕上がりなのがまず印象深い。
おそらくメンバーは、これでまた一稼ぎなどという気持ちではなく、今後もう何度もない……という意識で制作に向き合ったのだろう。ビルの不参加やトニーの闘病をはじめ各人のコンディションに関する緊張は予想以上に大きかったに違いない。本作を聴くと、他のメタルはハードやラウドではあってもヘヴィじゃないという感覚さえ持つ。ここで聴ける音こそヘヴィであり、ダークだ。全9曲中の過半数が7分超という容赦ない内容に、ノリ重視の聴き手は尻込みするかもしれないが、例の雷雨と鐘の音をちらっと聞かせるようなサービスも随所に折り込んであるし、思い切り没入して堪能するのにハードルが高いことは全くない。
DXエディションの3曲は、本編と合わせてCD1枚に収録できる長さなのに、あえて別の盤に分けたのは納得の構成。やはりリック・ルービンはよく分かっている。この3曲もオマケ以上の価値があるので、絶対に併せて聴くべきだ。(鈴木喜之)